犬丸（プラス）

なんて寂しい話。

僕は今日、一人の男性を呼び出した。
彼は今まで（何故か）人間界に居、教師として働いていた。
今や三界のどこも混乱状態にある。
せめてもの情報収集に彼を呼んだ。
何故彼を選んだのかは知らない。
ノック音が響く。
僕が入室の許可をすると失礼します、とあの人の声が届いた。
僕は僅かな違和感を覚えつつも、目の前にあるソファーに案内する。
彼の名は小林、さん。
着ている赤いシャツは、珍しくしわ一つ無かった。（あれ、何が珍しいんだろ）
「いきなり呼び出してすみません」
「いえ。この状況なら当然でしょう」
・・・気持ち悪い。（失礼だ。何で、何が）
「まさかこうして神様にお目にかかるとは思いませんでしたが」
寒気がする。
神様、という単語に悲しさを覚える。
何か違う。何か、何が。どうして。
分からない。
きっと僕も忘れてしまった。誰か。大切な何か。
例えばこの人だって、　。
嗚呼、




コバ＋犬が好きなんです。