ネウヤコ

ウィスパー

「ヤコ」ネウロの声は素で甘い気がする。本人は自覚してないだろうし、周りもそう思ってないかもしれない。別に私に対してだけ、って言いたいわけじゃなくて、ぼんやり。甘い気がする。かすめるように、今。そう思っただけ。一瞬の話。「聞いているのかウジ虫」あ、今までの思考回路全部撤回。嘘。後悔した。やっぱり気のせい。そこに待っていたのは温度の無い声。「聞いてる聞いてる」「何だその態度は。調教しなおしてやろうか」「すみません聞いてませんでした。もう一度お聞かせくださいネウロ様」「うむ」この悪魔。そして私の馬鹿。「わかればよいのだ、ヤコ」あ。またかすめた。



名前を呼ぶときだけ。