植森

青と白のコントラストの中で

植木が私を自転車に乗せた。
落ちないように回した腕は汗ばみ、
妙な湿気が纏わりつく。
「ねぇ何処に行くの」
その問いはもう5回目。
「秘密。行けばわかる」
その答えは同じく5回目。
青い空に白い雲。
眩しいくらいの夏にさらされて
いい加減うんざりだ。
暑い。
太陽に目を焼かれ、
残像に囚われる。
すると急に影に入った。
トンネル
こんなところ来た事がない。
車一台やっと通れるような狭い道を抜け、
現れたのは　あの
忌まわしい太陽によく似た
「すっごーい！」
ずらりと並んだひまわり
背は私より少し高いぐらいで
皆太陽の方を向いてる。
花畑、とまでは行かないけれど
横に広がるそれはなかなかの壮観だった。
「すごいじゃない植木！よく見つけたわね！」
はしゃいでいると植木はにっこり笑った。
「やっぱり」
「？何？」
「森に似合う」
だから見せたかった、なんて
あんたどこのタラシよ、このナンパ野郎。
どきどき、しちゃうじゃない。
「八月は森の季節だな、うん」
「何よそれ」

夏色の君！




あいちゃんハピバ！